寒さこらえて、飲んでますぅ~♪

ゴールデンウィーク後半の休日のこと。
五月晴れと呼ぶのにふさわしいような、さわやかな朝。
マンションの1階にある拙宅、猫の額ほどの庭がある。
割と広めのテラスがあり、所狭しと並べてある鉢植えの間に
テーブルとイスが2脚。

骨を強くするには日光を浴びると良いということもあり、
朝のコーヒーをテラスで飲むことに…。
その様子を見ていた母が、自分もテラスでジュースを飲みたい
と言い出し、飲みさしのジュースを片手に持つ母を介助し、
テラスの椅子に座らせた。

私は温かいコーヒーを飲んでいたのだが、母が飲んでいたのは
冷蔵庫から取り出した野菜ジュース。
そして高齢の母は、最近、極端な寒がりになり、室内でも、
いまだにカシミヤのセーターにフリースのカーディガンを着用。

庭に咲く花々を愛で、近くで聞こえる小鳥のさえずりに耳を澄ませながら
優雅なひと時を過ごしていた母と娘。その時、ふと隣の母を見ると、
ジュースを持つ手がこきざみに震えているではないか!
もしや中風発症かと思いきや、次の瞬間、かなり気温が低くなっている
ことに気づき、「寒いんと違うん?」と訊くと、「いや、さむない」
と答えた母の手は、まだ震えている。「ほんま?」と前に立ち、
母の顔を下から覗き込むと、急にケタケタと笑い出した母は、
笑いながら、「寒い…」とひとこと。

「そんなん、早よ言わなあかんやん。何、やせ我慢してんねんよ。
こんなことしてて風邪ひいたら困るやん」と言って、母の手を取り、
室内に連れて行く時、なんと、母の手の冷たかったことか!

いくら優雅にテラスでお茶を楽しんでも、寒さこらえてジュースを
飲んでて風邪でもひいたら、えらいこっちゃ。母には強がりの傾向が
あったことをうっかり忘れていた。

年がわかってしまうが、ひと昔前に、都はるみさんの歌で「北の宿」
という名曲があり、カラオケでもたまに歌ったりしたものだ。
今回の一件で、思わずその中の一節を思い出した。正しくは、
~着てはもらえぬセーターを、寒さこらえて編んでますぅ~♪
なんだけど、母の場合は、~寒さこらえて飲んでますぅ~♪
だったわけだ。


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