母の気持ち

駅近くのマンションに住んでいると、便利なのは大変ありがたいことだが、
電車の音がよく聞こえる。まず近くに2箇所ある踏切の鐘の音が聞こえ始め、
そのあと、電車の通る音がかなりの大きさで響いてくる。
道路を一本隔ててすぐ横に線路があるわけだから致し方のないことだ。
夏に窓を開けたりしていると、聴力が衰えつつある母のために、
かなりの音量で流れているテレビの音すらかき消されてしまう。
友人と電話で話している時など、「今、駅なの?」ときかれることもある。

今朝も母と食事をしている時に、電車が通る音が聞こえてきた。
窓をあけているため、かなりの音だ。
「やっぱ、窓開けてると、電車の音、すごいね」と言う私に、母が答えた。
「うん。でもね、時々、夜、電車の音が聞こえた後で、あれに乗ってるんかなぁ、
と思ってたら、ホンマにそのちょっと後に帰ってくる時があんねん」と嬉しそう。

電車の音をやかましいと思わず、楽しみにしている母……。
言われてみれば、そんなふうに誰かを待つという経験を、久しくしていないような
気がする。

電車の音を騒音とは思わず、その音が聞こえると、大事な人に思いをはせる人も
いるんだな、ということに 気付いた日曜の朝の出来事だった。


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