またしても残念な事件が起こった。愛知県日進市で起こった福島産花火の
打ち上げ中止事件。約20件の「放射能に汚染された花火を打ち上げるのか」
という市民からの苦情が寄せられ、打ち上げ中止を決断された市長。
花火大会には福島産以外の花火を打ち上げられたそうだ。
その後、その事態を知った他の市民(他地域の市民も含まれるかもしれないが)
から3000件以上もの抗議が寄せられたとのことで、昨日、産地の福島県
川俣町まで出向き、町長と花火製造会社の社長に市長が謝罪されたとのこと。
そもそも、この花火大会には被災地の復興を支援しようという目的もあり、
川又町で作られた花火を打ち上げようという話になっていたらしい。
それなのに、わずか約20件の苦情に負けてしまうとは、
いかにも本末転倒な話ではないかと思う。首長たる市長のお考えは、
そこまで確固たるものではなかったのだろうか。
花火大会開催を決められた時、その行事の目的を明確に市民に伝えられて
いたのだろうか…..。寄せられた苦情には市民の知識不足という背景もあった
だろうに…..。それに対して、「皆さんが心配されるようなことはありませんし、
復興支援のための行事でもあるので、予定通り、福島産の花火は打ち上げます」
と、なぜ明言できなかったのだろうか。
結局、反対意見の講義が寄せられて、現地まで謝罪に出向くのであれば、
なぜ、そうなる前に善処できなかったのかと残念に思う。
謝罪に向かう市長やその同行者が費やす費用、時間や労力、また、
その相手をする川俣町長や花火製造会社社長の時間や労力、すべてが
有限なコストのはず。もっとほかに有効な使い道があっただろうに….。
本当にもったいない話だ。
何事にも反対者もいれば賛同者もいる。全員が満場一致で賛成することなど
稀有なことだ。そこで有無をいうのが、リーダーの考えだ。
わずか20件の苦情でぶれてしまうほどの弱いお気持ちだったのだろうか。
それとも、ご自分も多少なりともそういう恐れがあるのではと懸念されていたの
だろうか。いずれにせよ、首長の力量が問われる事件だ。
せめてもの救いは、打ち上げ中止に対する抗議が、3000件以上も寄せられた
という事実だ。この国もまだ捨てたもんではないかも……..。