『なんで私の名前は後になったの?』

最近、ある男性から聞いた話。
お嬢さんが、この春から市内の公立中学に進学したとのこと。
登校してすぐに、お嬢さんに訊かれたらしい。
『ねぇ、なんで私の名前は男子より後になったの?』と……。

彼女が通っていた同じ市内の小学校では、男女混合名簿だったそうだ。
ところが、同じ市にもかかわらず、中学校では、男子生徒の名前が先で、
女子生徒の名前はその後に並んでいるとのこと。

お嬢さんにそう訊かれて、どう答えたのか、彼に尋ねると、
『いやぁ、もう、いきなりそんなこと訊かれたら、その場では、
お父さん、頑張るらな、としか言いようがありませんでしたよ~』と言って
苦笑していた。ちなみに、彼は今、人権教育の仕事に関わっている。

ひと昔前は、男女共学校の名簿は、男子生徒の名前が先で、その後に
女子生徒の名前が続くというのが当たり前のことだったそうだ。
女子高育ちの私は、そのことを大人になるまで知らなかった。そして、
短大卒業後に5年間勤めた神戸の国際学校でも、男女共学だったが、
全員アルファベット順という男女混合名簿が採用されていた。

なぜ日本の教育現場でなかなか男女混合名簿が採用されなかったか、
それには理由があった。例えば、健康診断の時など、男女別々に集める
必要があり、そのためにも、名簿は男女別々のほうが、作業が進めやすい
という、いわゆる業務効率の観点もあったようだ。確かになんでも手書きの
時代には、そういう配慮が必要だったかもしれないが、コンピューターが
普及した今、エクセルのソート機能を使えば、混合名簿が、一瞬で、
男女混合名簿が、男女別名簿に作り変えられるではないか。

別に名前が先に呼ばれたからと言って、すべての男子が女子よりエライと
いうわけでは決してない。また、そこまで神経質になる必要はない、という
意見もあるようだが、こうした現象が教育現場で見られる限り、自然と
子どもたちの意識の中に、男性が先で女性はその後、男性が主で、
女性は従、的な考え方が刷り込まれてしまう恐れがある。

 しかも、保育園や幼稚園、小学校、高校では男女混合名簿なのに、
同じ市内にもかかわらす、中学だけが男女別だなんて、余計に混乱する
かも…..。まずは、こうした身近で簡単なことから、意識と行動を変えて
いくこと。それが、ダイバーシティ(多様性)の活用推進につながるものと
信じている。そして、人権教育の仕事に関わっている彼にも、お嬢さんの
ためのみならず、社会のためにも本当に頑張っていただきたいものだ。


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