『ママのせいだ~っ!』

先日の朝、電車の中で、幼稚園児とおぼしき坊やが、私が乗車した時には
既に大声で泣きじゃくりながら、隣に座る母親の腕をたたき、何度も何度も
『ママのせいだ~、ママのせいだ~』と叫んでいる。
ラッシュアワーの後なので、すいている車内に、その子の泣き声が響き渡る。
たまたま隣に座った私は、あまりの音量に、一瞬、席を変わろうかと迷ったが、
たったひと駅のことだし、と思い、あえて動かないことに….。
そうして、駅に着くまで見るともなしに隣の親子の様子を見ていた。

そのうち、その坊やは、『ママのせいで遅れた~っ』と叫び出した。
車内に同じ制服の幼稚園児は見当たらない。事情はよくわからないが、
なんらかの理由で家を出るのが遅れ、どうやら遅刻してしまったようだ。
母親はひそひそ声で『静かにしなさい』と言っている。が、驚いたことに
その母の両手には携帯電話が握られていて、ひたすらメールを打っている。
子どもの目を見て話しかける様子はない。

『ママのせいだ』と叫ぶ子どもに一度でも謝っている様子もない。
もしかしたら何か急用があったのかもしれないが、一瞬でもメールを打つ手をとめ、
子どもの目を見て話しかけてあげられないものか、と疑問に思った。
子どもの訴えには、どんな時でも、まずは真剣に向き合ってあげるようにしないと、
と老婆心ながら思った次第。

こういうことって、もしかしたら職場でもあるかもしれない。
部下が上司に何か相談に来た時に、上司がパソコンのメールを打ちながら、
『聞いてるから話、続けててくれていいよ』と言うような光景はないだろうか。

長年、児童教育に携わっている友人にこの話をしたら、『子どもにはわかるのよね。
大人が自分の話にどれだけ真剣に耳を傾けてくれてるかってことが…..。
それよりも私がその話訊いてコワイと思ったことは、幼稚園児の口から、
“ママのせいだ”って言葉が出ることだな。周りで誰かがよく使う言葉なのかも。
でも、そんな小さな頃からそういうふうに、自分は悪くない、人のせいだっていう
考えをもってることがコワイよね』という答が返ってきた。

そう言えば、私も小さい頃に、『~のせいだ』と父に言い訳をしたことがある。
その時、今は亡き父にすかさず注意をされた記憶もよみがえってきた。
「誰のせいでもない、すべてのことは自分に責任があるんや」と……。

いろんなことを考えさせられた朝の電車の中の光景。


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