違いがあるからこそ……。

ダイバーシティ(多様性)の講演をするときに、多様な個性とは、異質性、個別性、
個人の持つ違いという意味であること、そして違いがあるということは、その違いが
あるがゆえに、同質の集まりでは発生し得ない制約や制限が生じることもあり得る
とお話している。違いがあることにより制約や制限が生じることは否めないが、
それを補って余りある強みや利点が生まれることもある。それを裏付ける事例で、
最近感動したことが……。

ある企業で、生まれつき全盲の方をインターン(研修生)として、一定期間、
受け入れられた時の話。担当者の方からお聞きした話だが、その全盲の方を、仮に
A子さんとしよう。研修期間初日に、社内施設の案内をされていたら、ある会議室で
A子さんが、「ここは、さっきのお部屋より広いですね」と言われたらしい。
担当者の方は驚いて、「そうだけど、どうしてわかったの?」ときかれた。彼女は
「声の反響の仕方でわかるんです」と答えられたそうだ。声の反響の仕方で部屋の
広さがわかるだなんて、と驚くと同時に感動したのは、その場に居合わされた
担当者の方だけではないことは言うまでもない。

良く似た例として、少し前のことだが、もう一つ感動した話をご紹介。前に勤めて
いた会社では、社内に、社員が就業時間中に利用できるマッサージ室があり、
何名かの全盲の方が、マッサージ師として勤務されていた。ある時、その中の
お一人と話す機会があり、しばらく話していると、突然言われたことが、「北尾さん、
口内炎できてるでしょ?」だった。「えっ!?なんでわかったんですか?」と驚く私に
「いつもと話し方が違うし、口内炎ができた時の話し方だなと思って」との答が返って
きた。いやはや、驚いたのなんのって…。実際に姿は見えなくても、話し方で体調が
わかるだなんて、まさに、違いがある方たちだからこそできることなのだ。
これぞまさしく、“ダイバーシティの成せる業”!


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